先日からいろいろと換気システムについての
調査研究を進めています。
まず、換気システムについては、第一種換気・第三種換気
が現在の住宅では主流ですが、換気システムを論ずる前に
カビの胞子による健康影響について考えてみます。
まず、室内の壁に繁殖したカビの胞子は1cu
(ほぼ10円玉1個分の面積)あたり1億個以上も
あります。
その大きさは、数ミクロン(1ミクロンは1000分の1ミリ)
で極めて軽いために、容易に空気中を浮遊します。
この胞子が、人間の呼吸器官や消化器官を通じて
人間の体内に侵入します。
健康な方であれば免疫力があるので、カビの胞子が
体内に入っても、すぐに真菌症に冒されることは
ありません。
しかし、免疫力の弱い高齢者や子供、何らかの病気を
持っている成人、ストレスやその他で体力が衰退している
方などは、カビに対する抵抗力が弱まり、真菌症にかかり
やすくなります。
特に糖尿病などの慢性病、もしくは癌、血球病、再生
不良性貧血、白血球減少症などの血液性疾患を持つ方は
カビの感染によって死に至ることも多いのです。
北里大学の発表によれば、人の死亡の10%は、
カビが直接または間接の原因になっており、糖尿病の
慢性疾患の患者が亡くなる場合のほとんどが真菌感染症
であると指摘しています。
次に、換気方法別の換気不足度・換気充足度・
過換気度について、興味深いデータが手元にあります。
国内では換気の第一人者である千葉工大・小峯教授の
文献によると、自然吸気/強制排気の第三種換気システム
で実験したデータによると、強制吸排気の第一種換気システム
に比べて、換気不足度が高い傾向が見て取れます。
そのなかでも、もっとも換気不足度が大きいのは、
自然吸気分散配置型水廻り排気方式。
住宅の気密性能に関係なく、換気不足度が高い結果となっています。
次に、換気不足度が高いのは、分散配置型個別吸排気方式。
この方式では、住宅の気密性能が上がれば上がるほど
換気不足度が高まる結果となっています。
冷静に考えればわかる話ですが、
空気の流れはそれぞれの場所の大気圧の差です。
当然、排出すべき空気が薄くなると、排気効率が下がります。
つまり、排気量と同じ吸気量がなければ、排気できません。
気密度がきわめて高い場所を強力な排気ファン(真空ポンプ)で
排気すれば、排気は可能ですが、その場所の大気圧は大幅に
下がります。
住宅では、まずムリな話ですね。
しかし、この分散配置型水廻り排気方式や
分散配置型個別吸排気方式は、
コストやメンテナンスの利点から、
現在主流の住宅換気方式です。
弊社の標準仕様ではありますが、設置コストが高い
集中配置型ユニットダクト方式では、住宅の気密性能に
に左右されず、換気不足度がない結果となっています。
つまり、換気不足度が慢性化して、室内に空気のよどみが
多ければ多いほど、カビの胞子を体内に取り込む危険性
は増加する、ということです。
健康な身体であれば、免疫によって守られるとしても
生活習慣病や血液疾患、高齢化によって免疫力が
低下した場合、換気システムの潜在的な問題(換気不足)
による健康影響は、突然現れてきます。
それほど、家づくりにあたって換気計画は重要なこと
なのです。
現状では、換気計画の重要性を理解されない方々が
多いことが、とても残念なことです。
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